家の劣化や設備の不具合などがあり、もしそのままの状態で売却する場合は、事前に買主に伝えるようにするのはあたりまえのこととして知られています。
ただ、他にも売却する際に伝えなければならない事柄はいくつかあり、そのうちのひとつに「心理的瑕疵」というものがあります。
ここでは家を売却する際に覚えておきたい心理的瑕疵について解説していきましょう。
不動産売却のときに忘れてはならない心理的瑕疵とは?
火災や殺人、自殺、不審死などのさまざまな理由によって以前住んでいた方が亡くなってしまったことがある物件のことを事故物件と呼びます。
以前住んでいた方が亡くなった部屋に住むことには心理的に抵抗を感じることが多く、そのことを心理的瑕疵と言います。
事故物件の他にも心霊現象が起きるという噂があるなど、抵抗を感じる内容には違いがあるため、心理的瑕疵にははっきりとした基準が設けられてはいません。
瑕疵の種類として「環境的瑕疵」というものもあります。
環境的瑕疵とは、物件の近隣に騒音や異臭の原因となる建物があったり、反社会的組織の事務所があったりと、主に環境に関する問題があることを言います。
家を売却する際には、心理的瑕疵と環境的瑕疵との違いもきちんと理解しておくようにしましょう。
不動産売却の際に心理的瑕疵には告知義務があることを忘れずに
事故物件をはじめとして人々が抵抗を感じるような事象があった家、すなわち心理的瑕疵のある家を売却することは、なかなか難しいというのが現実です。
心理的瑕疵は家の傷や設備の故障と異なり目には見えないため、売主によっては過去にあったことを隠して売却しようと考える方もいます。
ただ、心理的瑕疵には告知義務があるため、隠したままで家を売却することはできません。
心理的瑕疵の告知義務はいつまで必要なのでしょうか。
賃貸物件の場合は事故が発生してから3年ほど、売買の場合は6年ほどが経過するまでは告知義務が必要だと考えられています。専門家によって意見が分かれることもあるので特に注意が必要です。
もしも心理的瑕疵があることを隠した場合、後日その事実を買主が知ったときに損害賠償を請求される可能性があります。
また、心理的瑕疵の告知義務には時効が定められていないため、過去に問題があった家を売却する場合にはきちんと買主に伝えるようにしましょう。